Aspire Glia
(アスパイア・グリア)とは
AMEDが資金援助するASPIREプログラム「世界最高水準の医療の提供に資する細胞構造・ダイナミクス研究」として2024年2月より始動した国際共同研究コミュニティです。本研究では我々の脳の半分以上を占めるグリア細胞の研究を通して、発生および学習・記憶・情動、また老化における脳機能低下を理解することを目的としています。
とりわけ若手研究者の国際的研究交流を促進し、これを理解することで脳機能障害を起因とする精神・神経疾患、発達障害の病態解明に繋げます。
脳回路におけるグリア細胞、特にアストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリア、脳-末梢境界領域の免疫細胞の先端技術と多様なバックグラウンドを持つ研究者で構成されています。Top10%の国際的論文を多数発表し続けているメンバー間での融合研究により、新たなサイエンスの創出を追求しています。
Professor Baljit S Khakh
アメリカ/カリフォルニア大学ロサンゼルス校/生理学および神経生物学部門
Professor Anne Schaefer
アメリカ/ドイツ、アイカーン・マウントサイナイ医学校/マックスプランク研究所、神経科学および精神医学/老化生物学部門
Professor Marco Prinz
ドイツ/フライブルク大学/神経病理学研究所/神経センター、医療センター
Professor Marie-Ève Tremblay
カナダ/ビクトリア大学/医学科学部門
Assistant Professor Rosa Chiara Paolicelli
スイス/ローザンヌ大学/生体医学科学部門
和氣 弘明
名古屋大学 大学院医学系研究科 教授/自然科学研究機構 生理学研究所 多細胞回路動態研究部門 教授/神戸大学 先端融合研究環 特命教授
小泉 修一
山梨大学 医学部 薬理学講座 教授
増田 隆博
九州大学 生体防御医学研究所 教授
小山 隆太
東京大学 大学院薬学系研究科 薬品作用学教室 准教授
服部 祐季
名古屋大学 大学院医学系研究科 准教授
長井 淳
特定国立研究開発法人理化学研究所 脳神経科学研究センター(CBS) チームリーダー(PI)
柏木 有太郎
東京大学 神経細胞生物学教室 助教
当チームの研究は、主に以下の領域に焦点を当てています。
アストロサイト:
脳の恒常性をダイナミックに制御するアストロサイトのシグナルが学習・情動・老化の影響でどのように変化するかを生体イメージングやオミクス解析で捉え、CRISPRによる遺伝子編集による因果関係の検証によって疾患制御メカニズムの理解に繋げることを目標としています。
ミクログリア・免疫細胞:
脳環境の監視役である免疫細胞がどのように脳形成に寄与するのか、とりわけ脳血管や代謝における役割を、最先端のイメージングやオミクス解析を駆使して明らかにします。
オリゴデンドロサイト:
神経同士の連絡にはオリゴデンドロサイトにより形成される“髄鞘”による効率化が欠かせません。
この髄鞘がどのような神経活動によって誘導されるのか、そして損なわれてしまうのか、という課題に対して、脂質という新たな観点から切り込みます。
アスパイアグリアでは、国際的に評価される高度な研究成果を多数上げています。ここではその研究成果をご報告いたします。
アスパイアグリアは定期的に活動報告書を作成し、研究の進捗状況や新たな発見、学術会議での発表などを共有しています。
■住所〒444-8585岡崎市 明大寺町字西郷中 38 自然科学研究機構生理学研究所 多細胞回路動態研究部門